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. | 2004.09 | . | ||
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. | イラストレーション:火取ユーゴ |
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授月業日。今春から週ヒトコマやっている国立音大で授業。150人の履修者以外にも聴講希望者が多く、最後の二回を大講堂で公開にすることになった。講堂ができて以来初めてジャズの音が鳴り響くらしい。一回目は「枯葉」をテーマにして、生徒選抜バンド、ピアノソロ、それに、リーダーを含めて三人が国立出身の女性四人組アカペラ・グループXUXU の演奏を題材に話をした。途中の歌詞が「コラキムト、ケカラタ、クイコラソン」だったり、サビが「ミコンタ、フェートゥ、ケパコレ、Qアンテ、カサント、Qアンティティート、ザボス、Rレコ、ムタ、ボノ、ゴラ、ミト、ゼガ、ミタ」などとなる独特のXUXU の「枯葉」は興味深い研究の対象だ。二回目には「ビッグバンド」をテーマにして、国立の誇る「ニュータイド・ジャズ・オーケストラ」に出演してもらい、「ベニー・グッドマン物語」のDVD なども見ながらざっと歴史を概観した。連続して来てくれたXUXU の「スペイン」に続いてビッグバンドの「スペイン」をやり、あとはネスティコの曲など三曲を簡単な解説つきで演奏してもらった。折角だからとピアノで参加したが、結構冷や汗もんでした。8月の「ヤマノ・ビッグバンド・コンテスト」で優勝を狙っているニュータイドの音は充実していて、ともすればぶっちぎられそうになる。いやしかし勉強になった。ビッグバンドはハマるとたまりませんね。この経験、来年1月のオペラシティでの「ジャズマン忠臣蔵」へのまたとないヒントになった。って、自分の授業で人に教えてもらってちゃあいけませんが... 野月球日。横浜球場だけで受信できるミニFM放送のゲストで野球観戦。DJの栗原治久さんが「ここだけの話ですけど」と言って選手のエピソードをさまざま喋ってくれるのは嬉しい。こっちは何度も話している始球式の話をまたくり返す。あれは2000年の夏、横浜二軍が「湘南シーレックス」となってその応援歌を選考した直後のことだ。横須賀球場の西武戦で始球式の栄誉。投手は谷口、捕手は相川、打者は宮地、一塁になんと駒田、中堅に波留という布陣。あれほどアガったことはない。練習で硬式ボールは届いたり届かなかったりで、肩は痛くなるし、当日ぶっつけ本番だった。マウンドに一人で立つとホームベースははるか彼方だ。プロ選手全員がじっと見ている。振りかぶって投げたら打者が飛びのいた。しばらくはどんな球を投げたか思い出せないほど頭の中は真っ白だったが、左打者の宮地の足元に落ちて相川がワンバウンドでキャッチしたのだ。本日の始球式は米倉涼子で、山なりながらノーバウンドで球が届いた! これはすごいことなんですよ。 出月囃子日。横浜の選手は打席やマウンドに行くときに「出囃子」がある。これが格好いい。何という曲なのか、球場のサウンド・ディレクターでもある栗原さんに聞いたところ以下のように判明した。 石井/BEYONCE「CRAZY IN LOVE」 内川/RED HOT CHILLI PEPPERS 「FORTUNE FADED」 鈴木/OUR LADY PIECE「WHATEVER」 佐伯/映画「ラスト・サムライ」 ウッズ/50 CENT「IN DA CLUB」 多村/KURT ANGLE「I DON'T SUCK」 金城/TRAPT「HEAD STRONG」 村田/PINK「GET THE PARTY STARTED」 種田/PHILL COLLINS「YOU'LL BE IN MY HEART」 相川/ICE CUBE「YOU CAN DO IT」 中村/ウルフルズ「まかせなさい」 古木/FUGEES「NO WOMAN NO CRY」 小田嶋/JANET「JUST A LITTLE WHILE」 河野/HI-STANDARD「TURNING BACK」 田中一/BONJOVI「BAD NAME」 万永/LINKIN PARK「FAINT」 吉見1/BONNIE TYLER「HERO」 吉見2/ケツメイシ「はじまりの合図」 デニー/喜納昌吉「はいさいおじさん」 門倉/「イノキ・ボンバイエ」 佐々木/つんく「ダ・ダ・ダ・大魔神」 マレン/リンプ・ピズキット「ROLLIN'」 三浦マウンド用/YOSHI「KEEP ON」 三浦打席用/YOSHI「TAKE A CHANCE」 三浦兼用/SLY FOX 「LET'S GO ALL THE WAY」 三浦兼用/矢沢永吉「止まらないHA HA」 結構トリビアでしょうか。こちらには題名も演奏者も知らない曲がほとんどだが、金城選手のものは「おやっ」と思った。ジャマイカの近くの島から出てきた音楽らしい。車で聴いて自分でこれに決めたというセンスは面白い。この日の試合は10対4で巨人に快勝。勝利の瞬間、応援歌を山下プロデュースでビッグバンドにアレンジした「ベイスターズ・ジャンプ」が鳴り響き、この上ない贅沢な時間、ここに極まった!。 「CDジャーナル」2004年9月号掲載 |
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